KEYSI(ケイシ)とは

KEYSIの特徴

1) ストリート生まれの護身術

KEYSI(ケイシ)は1980年、スペイン人のフスト・ディエゲスによって開発された護身術です。正式名称を“KEYSI Fighting Method by Justo Dieguez(ケイシ・ファイティング・メソッド・バイ・フスト・ディエゲス)”といい、KEYSIまたはKFMと略されています。

映画『バットマン・ビギンズ』をはじめ、『ダークナイト』や『アウトロー』の主人公が使う格闘術として使用されているため、その独特な動きをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。

KEYSIはリングや道場での試合ではなく、【1対1ではなく対複数人】【道場ではなくストリートでの争い】を基本想定としています。この「ストリート」は単に路上だけを意味せず、例えば電車の中、エレベーターの中といった日常生活におけるあらゆる空間を意味しています。

両手で頭を抱えるフォームが特徴的で、これは「頭部の保護」と「周囲の観察」を重要視した結果生まれたスタイルです。

KEYSIの基本フォーム「ペンサドール」

ストリートには無数の要素があります。周囲に何があるのか、エリアの広さ、相手の特徴、人数、自分の服装や持ち物etc…自分が置かれた状況の中でベストな選択肢を選ぶためには「冷静な状況把握」と「状況を活用するための思考」が欠かせない。というのがKEYSIの考え方です。

また、これが最も大切なことですが、多くの護身術がそうであるように、KEYSIには「これさえ覚えれば絶対に身を守れるようになる」という魔法はありません。

KEYSIはまず「人間の弱さ」と向き合うことから始まります。

映画のヒーローのように戦うことがいかに困難か。
人はどれほど容易く冷静さを失ってしまうのか。
護身術を習っているという過信が招く新たな危険。

これらの事実と常に向き合いながら、日常の様々な状況に対応できる柔軟な心・技・体・考を鍛え、自立した“個”の強さの獲得を目指しています。

KEYSIの基本動作について


2) 武道の精神が息づく哲学

KEYSIの創始者フスト・ディエゲスは、10代の頃から様々な武術の訓練を積んできました。

KEYSIの創始者 フスト・ディエゲス

特に初期の頃に出会った空手の影響は大きく、日本の武道の精神には非常に感銘を受けたそうです。KEYSIは海外ならではの合理的な考え方がベースとなっていますが、そのさらに底には礼節や謙虚を重んじる日本の精神が流れています。

フストは
“KEYSI is not sports. KEYSI is not martial arts. KEYSI is the way of living.”
と説きます。

直訳すると「KEYSIはスポーツでも格闘技でもない。KEYSIとは生き方である」となりますが、この“the way of living”は空手道や剣道のような「道」と訳した方が日本人にはしっくりくるかもしれません。「KEYSIは単なる戦闘技術の集合体ではなく、心身を錬磨するためのメソッドであり、戦闘はKEYSIにとっての最終手段である」とも述べており、武道とよく似た思想が伺えます。

KEYSIではパートナーと練習する際に礼を交わすだけでなく、練習場所に出入りする時にも礼をしたり、道具に対しても敬意を払ったりと、端々に武道の影響が息づいています。

KEYSIの礼について


3) フィットネス感覚のトレーニング

ちょっと堅苦しい内容が続きましたが、なんだかんだ言っても陽気なお国柄のスペイン生まれ、スペイン育ち。殺伐としたトレーニングは好まず、フィットネスやゲームなどの要素を取り入れ、運動経験が少ない人でも楽しく続けられるように色々な工夫を凝らしています。

どんなに立派な哲学や技術も続けなければ身につきません。続けられるために重要なのは、なんと言っても楽しさ。そして少しの難しさだと思います。

鬼ごっこをしながらのミット打ち

KEYSIのトレーニングは、人によっては少しハードだと感じるかもしれません。しかし、「自分の身は自分で守る」のが護身術の基本ですから、きついと感じた場合には自主的に負荷を緩めたり休憩していただいて構いません。

「倒れないように無理をしない」のも「成長のために多少無理をする」のもどちらも大切なことです。その時その時の自分と向き合いながらトレーニングに臨んでください。

KEYSIを始めるのに体力も自信も必要ありません。この二つは長く続けてようやく身につくもの。KEYSIを始めるのに必要なものは好奇心だけです。

KEYSIのトレーニングを通して獲得した強さは、物理的な脅威だけでなく、目標や仕事といった日常生活の面でも力になり、皆さんの人生をより生き生きとしたものにしてくれると、私たちは信じています。

興味がございましたら是非、体験だけでもいらしてみてください。

レッスンについて

KEYSIの意味

自分を信じる心

KEYSIはスペイン語では“Que y si”と表記し、それぞれ発音はQue(ケ)、Y(イ)、Si(シ)となります。

英訳すると、

Que = what
y = and
si = yes

これを世界中の人が読みやすいよう、英語風に表記をアレンジしたのが“KEYSI”です。しかし、英語だと“KEY/SI”と区切ることができるため、英語圏では「キーシ」と発音されがちなようです。そのせいか、映画『バットマン・ビギンズ』のメイキング映像では「キーシ・ファイティング・メソッド」と字幕表記されています。

(これが理由で日本では多くの方が「キーシ・ファイティング・メソッド」と認識されていますが、正確な発音は「ケイシ・ファイティング・メソッド」になります)

KEYSIは“Que si”というスペイン語のフレーズが元になっています。これは肯定や意志を強調した言葉で、日本語に訳すとしたら「絶対そう」「必ずやってみせる」といったところでしょうか。

KEYSIの創始者であるフスト・ディエゲスは、幼少の頃、母親によく“Que Si?(できますか?)”と問い掛けられたそうです。これは技術的にできるできないを尋ねているのではなく、「あなたならやり遂げられるよね?」という信頼がこもった問い掛けであり、フストはこれに対し“Que si!(できる!)”と返すのがお決まりだったそうです。その際、まだ幼いフストは「ケシ」ではなく「ケイシ」と発音するのが癖だったため、周囲から「ケイシ」と呼ばれていたと言います。

フストは母親とのこのやり取りのおかげで「自然と自分を信じることができるようになった」と話してくれました。フストは「自分を信じる強い心を育てて欲しい」という想いを込めて、自身が開発した護身術にこの言葉を用いたそうです。

※上記のお話はフストと英語でやり取りしてお聞きしたものです。お互いに母国語ではない言葉でのコミュニケーションのため、辞書的な意味では異なる部分もあるかもしれませんが、KEYSIという名前に込められたものをご理解いただけましたら幸いです。